みんな、演劇部。  
 
 
--竹富高校演劇部部室。放課後--
 
真坂「なあ、集。」
流川「あん?」
真坂「最近さ、俺思うんだよ。」
流川「何を?」
真坂「俺って、頭良いけどさ、顔は駄目だよな?」
流川「そだな。加えて、あんまり性格も良くないよな」
真坂「ウルセー、余計なお世話だっつーの。」
流川「いやいや、それほどでもねぇよ。」
真坂「誉めてねーよボケ。ったく」(ブツブツ)
流川「どーでもいいけどさ、何でそんな事急に聞くんだよ」
 
少しの沈黙
 
真坂「別に、お前には関係ないだろ。」
流川「今の間はなんだ?怪しいなぁ、悠一くん。はっは〜ん、さては恋でもしたのかなぁ?」
真坂「バ、バカ言ってんじゃねぇよ。お、俺がそんな柄にもねーことするかよ!!」
流川「図星だv」
真坂「ウ、ウルセー!!俺は関部長なんか好きじゃねーよ!!」
流川「ハッハッハ。とうとう墓穴を掘ってしまったね、悠一君。へぇ、尚美さんのことがねぇ〜・・・ってえー!!お前が、あの尚美さんを!?」
真坂「わ、悪いかよ!」
流川「別に悪かぁーねーけどよ・・・ふ〜ん、悠一も尚美さんのことがねぇー(小声)」
真坂「集、今『悠一も』って言ったろ!?言ったよな!?ってゆーことはお前も関部長の事が好きなのかよ!?」
流川「さぁね〜、俺のモットーは秘密主義ですから。」
真坂「ケッ!!そーやって、いつもお前は自分の手の内を明かさねぇんだよな。ま、いいわ。なあ集。ここは人生の先輩である俺からアドバイスをやろう。人を愛するってのはな、自分の弱点を増やすことになるんだぜ。」
流川「はあ?誰が先輩だ、誰がっていうか意味判んねーよ。あー、俺もう帰る。何処かの誰かさんのせいで気分を害しました、じゃあな悠一。(部室を出て、すぐドアから顔をだして)あ、俺からも1つ。夢じゃなくて、現実を見たほうが楽だよ。」
 
流川はける。
 
真坂「別に、夢見てるわけじゃねーんだよな・・・」
 
--回想シーン--
部室には真坂だけ。少し戸惑っているそこに関が部室に入ってくる。
 
関「あら、入部希望者?」
真坂「ギュッピーン!!はぅ・・・あ、あ、は、はい。1年9組真坂悠一で、です。」(緊張)
関「フフッ元気がいいわね。」
 
真坂照れる。流川登場
 
流川「お〜い、悠一いるか〜?」
真坂「あ、遅かったな集。」
流川「ったくよー。テメーが演劇部なんかに誘うから、こっちが迷惑するんだっつーの、別に入部する気ねーのに。」
関「真坂くんのお友達かしら?」
流川「あ、はい(と振り向く)ギュッピーン!!オーイッツァグレイト!!(性格、表情ががらりと変わる)はじめまして、1年2組流川集です。」
真坂「なんだよ、入る気なかったんじゃねーの?」
流川「悠一くん、そんな過去のことにこだわっていては俺のように大きくなれないぞ。」
真坂「はいはい、一生言ってろ。」
関「真坂くんと流川くんって仲がいいのね。あ、私の自己紹介がまだだったわね。私は一応この演劇部の部長の関尚美です。二人ともヨロシクネ。」
真坂・流川「ハイ、喜んで!!」
 
--回想シーン終わり--
 
真坂「俺と関部長はあーやって電撃的な出会いをしたんだよなぁ・・・はぁ。」
流川「何をため息ついてんだよ、柄にもねぇ。」
真坂「なっ!?お、お前いつからここにいんだよ!!帰ったんじゃねぇのかよ!」
流川「いやいや、細かいこと気にしてちゃいい大人になれないよ。」
真坂「ウッセーな、集、お前3回死んで来い。もう帰ってくんな。」
流川「3回死んでこい?全くもってイミフですな。1回死んだらそれまでじゃん?それをどうして3回も死ねようか、いや死ぬことはできない。」(自慢気)
真坂「あーあーあー!!黙れ!そーやって。人の揚げ足とんなや。」
流川「まーた、悠一の説教かよ。何回も言わんくたって判ってるっつーの。いつも終いにはこれだもんなぁ。この前なんて佳幸に延々と説教したよなぁ。そのせいで最近アイツ部活に顔もださねぇよな。まず悠一から改善しなきゃいけねーんじゃねえの?」
真坂「・・・・・・」(心にグサッときた)
流川「一応現部長なんだろ?尚美さんの後引き継いでさ、もっと部員のこと気遣ったらどうなんだよ。」
真坂「・・・そうだな。そうだよな。」
流川「え、何?今日はいつもより素直じゃないか?どう、どうしたん?」
真坂「やっぱさ、部長は部長らしく関部長みたいにやんなきゃいけないのかな〜って思ったりしたりなんかしてさ。」
流川「って、そうだ!!尚美さんだ!」(何か思い出した)
真坂「急にどうしたんだよ。折角今の俺メッチャ決まってると思ったのに。」
流川「どーでもいいんだよ、そんなこと。それより大切なことなんだよ!!」(焦り気味)
真坂「どーでもいいって言われた・・・そんなことって言われた・・・」(落ち込む)
流川「落ち込むのは後にして、俺の話を聞け。」
真坂「なんだよ?話って。」
流川「いいか、落ち着いて聞けよ。(深呼吸とか)言うぞ。(真坂生唾ごっくん)尚美さんに彼氏が居るかもしれない。」
真坂「ノーーーーーー!!・・・(放心状態)。」
流川「おーい、悠一ー?しっかりしろお。(ほっぺたペチペチしたり)・・・午後17時15分、御臨終です。アーメン(胸で十字切ってほしい)。」
真坂「勝手に殺すなー!!(怒)」
流川「殺したんじゃない、勝手に死んだんだ。俺は悪くない。」
真坂「誰が悪いとか、そーゆーことは全然どーでもいいんだよ!誰だ、俺の関部長を奪ったのはどこのどいつだ!!」
流川「そこんとこは抜かり無い。我が流川コンツェルンの情報網は夢限大だ。いや無限大だ。」
真坂「それで、一体誰なんだ?」
流川「それはな・・・」
真坂「ああ(ここでも生唾ごっくん)」
流川「悠一も名前くらいは聞いたことあるだろう?日樫高校の甲斐勝哉だ。」
真坂「マジかよ!?あのペテン師が相手かよ・・・。」
流川「ああ、相手はそれだ。」
真坂「そんな・・・俺はそれには勝てねぇよ。くそ、一体俺は何のためにここに居るんだよ・・・。(泣)」
流川「なあ、悠一。あきらめるのはまだ早いんじゃねぇか?」
真坂「えっ!?」
流川「俺と悠一の長所のコンビネーションで、尚美さんを勝哉の手から奪い返すんだよ。」
真坂「いくら俺のグレートな頭脳と集のスペシャルなナンパ仕込みの話術があったって無理だ・・・勝哉には勝てない・・・。」
流川「うわーナンパ仕込みってすこし侵害だなぁ」
真坂「えっ!?」
流川「い、いや違う。俺と悠一の一番得意とするもの。それはゲーム!!」
 
カッコいい音楽がながれる
 
真坂「ゲ、ゲームって?」
流川「ピコピコってするヤツだ。」
真坂「ピコピコってことは・・・セがサターンやドリームキャストとかのことか?」
流川「そうだ。そのゲームで我らの宿敵である甲斐勝哉と尚美さんを懸けて決闘をするんだ!!」
真坂「だけど俺は・・・」
流川「判っている。全て判っている、だから何も言うな、俺に言わせてくれ。悠一のできる唯一のゲーム、それはシュミレーション!!!!」
真坂「そう、俺はシュミレーションゲーマー。ありとあらゆるシュミレーションをやり尽くした。そうだ、これで関部長を奪い返そう。」
 
真坂&流川誓い合う。
 
次の真坂の語りに音楽(レベルアップモノとかいいかも)
 
真坂「それからの毎日は大変だった。俺と集は来る日も来る日もシュミレーションを極めた。世間一般でギャルゲーと呼ばれているものだ。周囲の目が痛かった、でも関部長のことを想えば全然耐えられた。・・・スンマセン、嘘つきました。綺麗事でした。ってしょーがないじゃん。そして、1年が過ぎ、とうとう決闘のときがやって来た。これで関部長は俺のとこに戻ってくるのだ!!」
 
2人は部室で立ち上がり叫ぶ
2人交互にサスガあたる。
 
流川「しかし、決闘をすることはなかった。何故ならば、尚美さんと勝哉は国外の大学に進学してしまっていたのである。だが、昔の俺や悠一なら、尚美さんを追うためならば何も惜しまなかっただろう。しかし、俺と悠一はもう昔のままではなくなってしまった、とゆーのも恋心を抱く相手が変わってしまったのだ。しかもだ、今までは3次元だったのが2次元とゆーオタクの世界にハマってしまった。仕方ないんだよ。現実の女性達に魅力があるように、2次元の女の子達にも魅力があるんだ。」
真坂「この世界から俺たちは抜けられない。いや、抜けたくないこの2次元というぬるま湯につかっていたい。ずっと永遠に、この快感に浸っていたい。もうつらい現実なんて、まっぴらだ。」
流川「俺は昔の自分に1つ言いたいことがある。やっぱ、現実より夢見た方が楽だよう。ハハハハハー。」
 
                                     お終い。