・辛い話を、しっかりと書ききりましたね。皆さんの年齢ではもっとも大切な友達の問題。ただ話す、仲間に入れてもらう、そういうことがこんなに難しい……素朴な書き方が誠実な書き手の姿勢を伝えてきます。
・目が合う、という苦いエンディング。「見守る」という決意はしたものの、ずっと幸せではありえない感情の複雑。そういうものを描き出している、意図がそもそも見事です。
・ずっと気持ちは女Bにとらわれているのに、「見守る」しかないという筋立て。一番大切な人とは一番会話ができない、という逆説的な事実。この発見が清新です。
・登場人物に名前をつければきっとお話はいくぶんかはもっとなまっぽくふくらみ、香ってきたでしょうね。