・変わった台本ができました。ここには葛藤もない、乗り越えられるべきドラマチックな山もない。ストレスがないのでスラスラ読める。ただただ楽しい料理の会話ばかりが続きます。これはこれで、上演したら奇妙な味わいになるのかもしれません。
・しかし、やはりきっと機嫌がよいのは作者だけです。読む人、見る人にはこうした笑いあってるだけの会話は、退屈なものになります。少しは悪人が出てきて、意地悪をし、皆が困る……ということをわざわざ仕掛けないと、物語というのは「たのしく」ならないのです。逆説的ですが、楽しくするには意地悪を仕掛けてください。このままだと客に対して意地悪な作品で終わってしまいます。
・登場人物たちの会話は楽しく、楽しく、生き生きと描けています。ところどころ笑えます。この筆力を持ってすれば、あとは物語を構築することに工夫、力を注げば、いいものは作れます。がんばりましょう。