・果敢に長い作品にチャレンジしたファイトをなによりたたえます。
・結局写真はうまく撮れるようになったのか?ならなかったのか?を明確にしたらストーリーはもっと焦点が絞られたでしょう。いろいろ試行錯誤、しかしその根本的原因は××だった……ということで人間の深い問題にいたる、というわけです。
・主人公が出くわす困難を強く、そしてシンプルに設定できている点が、なによりもすばらしい。
・困難を抱えつつ、それと共存しつつ、そして人はそれくらいの悩みを抱えて過ごすくらいがちょうど愛くるしくいとおしい……という人生の機微を描けている、そういう気がします。
・リズムのよいおもしろい台詞の連続、これをあのリーディング発表の日、全部を皆が張り切って面白おかしく朗々と読みあげったから単調になり、かえってリズムが崩れておもしろく聞こえなかったのですね。まじめに笑わないで読めば、こんなにおもしろいのだ、……と改めて気づきました。がんばれ。