・深い、険しい問題を取り扱っていることに感心しました。
・「妹は姉を好き、姉は妹を嫌い」……単純な構図から強烈に、そして鮮明にスタートしているところが緊迫感を増しています。
・妹の論じるありさま、台詞の強さと連なりは、なみのものではない。すばらしく力強く、その先に愛を説く。その強さがそこに結実することが珍しく、美しい。
・「ずーっと一緒にいよう」ということには家庭の事情によってなりえないところに、この物語の魅力があるのに、最後は惜しい。緊迫感がそこで崩れてしまった、という印象があります。
・「妹は姉を好き、姉は妹を嫌い」これが表面化するまでを、もう少しの間、さりげない会話にしておけば、お話はますます対立が際立っただろう。目立たせようと思ったら隠すこと、です。