・闘争の宣言、ですね。力強い宣言は、しかし時たま不安なつぶやき交じりだったりする。「時々この子の言ってることはおいらにもわかりません。」同士でありながら完全に仲良しだったり、完全に共感しあったりはしていない二人。そこがリアルで、人物に対する観察がやさしく、絶品です。
・人は一人一人さまざまでよいのだ、と口では言いながら、実は個性をあるがままに認めてなどくれない圧力が隠然と存在するのが日本の社会です。外国は違います。いろんな肌の色、目の色の人がいやおうなく一緒に暮らしている都市であればあるほど、「人と違うこと」はそのまま認められています。
・黒髪でないといけない、黄色い肌でないといけない、スカートでないといけない、半そででないといけない、……皆が同じでないといけない、と強いられるこの雰囲気、つまり人生も人と同じであれ、と言われるようなもので、感じやすい十六歳(?)の魂がこの不条理に自然に反応している様子はいたくいたく感動的です。
・次の作品、期待しています。上演作品を。そしてもっと発展したストーリーを。大成を祈ります。